Design Thinkingとは
Design Thinkingとは徹底的なヒューマンセントリックの考え方による、
真の問題発見方法と問題解決方法を考える手法で、ビジネスに適用すると、
イノベーションの成功率が幅に向上すると言われています。
design thinkingという考え方は、シリコンバレーのデザインコンサルティング会社IDEOが
提唱しました。
design thinkingは、「考え方」、マインドセットであり、「方程式」や「英単語」といった、
「ある問題に対する決まった解き方」ではありません。
つまりデザインthinkingを使うタイミングは特定の問題が出た場合ではなく、
普段からデザイン思考の考え方をベースに自分なりのアレンジを考えて問題解決に望むということです。
なのでビジネスシーンだけではなく、日々の暮らしの中で使える考え方です。
Design Thinkingは、新しいプロダクトやサービスの開発に使われると思われかがちですが
イノベーションが必要なあらゆるシーン、既存業務の改善なども有効な手法です。
また、人の問題に関連していることであれば、どんなことにも適用できるので、
私たちの生活におけるあらゆる問題解決に活用することが出来ます。
Why design thinking
テクノロジーが発達し便利なツールが溢れる今の時代、そのツールが誰のなんの問題を解決するために存在しているかを考える・知る機会も、その必要すら少なくなっています。そうしているうちに、自分自身の物事の判断基準がわからなくなってくる人も多くなってくる恐れがあります。また、外国で生活をしているとなおさら、言葉の違い、相手との文化の違い、周りとの世代の違いと状況は複雑に絡み合い、問題に対する正しい答えを見つけるのが困難になってくるでしょう。そんな時、これまでの考え方では立ちいかなくなってしまうことが予想されます。
そんな予測不可能な未来に備えて、”本来の問題解決を導くマインドセット、考え方”を身につけて一つの武器にし、生き抜く力を養うことが大切と考えます。
Framework
具体的にはフレームワークに沿って実行しますが、幾つか存在するDesign thinkingのフレームワークの中でもっとも代表的なものは、スタンフォード大学 d.schoolが提唱する「共感」「定義」「アイデア創造」「プロトタイピング」「テスト」という5段階の思考プロセスです。
Design thinkingでは、人の不便や不満を問題とし、そこから解決案となるアイデアを展開していきます。つまり、「誰の何の問題を解決するのか」を定義できるかどうかで、その後に続くプロセスの成否が大きく左右されるということです。また、解決案で使われるツールやテクノロジーも、それが何の問題解決のために使われているのかを心から理解しているかどうかで、理解の深まりやテクノロジーに対する探究心も違ってきます。
フレームワークの最初のステップ「共感」、「定義」フェーズがそのキーとなります。
「共感」のフェーズは、その問題を見つけるための情報を集めていく目的で、対象の人を観察することやインタビューをすることで出来るだけその人の気持ちに寄り添い、不便やニーズがどこにあるのか、何が本当の問題なのかを探し求めます。
共感フェーズの実行手段は、観察、関わる(インタビュー)、体験・没入の3つのレベルがあります。問題に応じて使い分けます。重要なのはこれを「正しく」「主観を抜いて」行うことができることです。大人になり様々な経験や知識が増してくると、ここを主観を抜いて行うことが至極難しくなるので、子供のうちにこれができるようになっておくことは、ライフスキルと言えると思います。
「定義」のフェーズでは、共感フェーズで収集した情報を元に問題の定義を行います。
問題が定義できたら、解決案作成を作り、それが本当に問題解決になっているかのテストを行います。問題を持っている本人に使ってもらうなどして確認していきます。(アイデア創造、プロトタイプ、テスト各フェーズ)
Design thinkingの効果
日本の高校(青翔開智中学校・高等学校(鳥取県鳥取市))で、design thinkingを取り入れたカリキュラムを採用しているそうです。全学年で「課題解決」が必須であること、が最大の特徴だといいます。独自の探究授業の成果は、「令和元年度スーパーサイエンスハイスクール意識調査報告書(科学技術振興機構)のアンケート結果にも現れました。「スーパーサイエンスハイスクールの取り組みにより最も向上したと思う興味・姿勢・能力を3つ選ぶ質問において、「問題発見力・気づく力」「問題解決力」「独創性」を選んだ生徒の割合が全国平均と比べ高い結果になったという。」