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私が何故design thinkingにたどりついたか。
2022.3.28

私が何故design thinkingにたどりついたか。なのですが、過去の経験から起因します。

 

最初に言いますが、desigh thinkingは、「人間中心」の問題解決方法の一つのフレームワークまたは手法であり、それ自身が手段ではない、と私は理解しています。

 

私は以前、日本やアメリカ、欧州で、商社やメーカーなどの大企業に基幹システム(ERP) BPR システム導入プロジェクト実施する仕事についていました。大企業の導入にありがちなケースですが、導入するシステムや導入予算が決まっており、また予算や期間が限られているので、使う側がシステムにオペレーションや行動を合わせなければいけないことになり、便利になるためのツールが人を苦しめているのを散々みてきました。

 

また、その後MBAに進学した後に所属していた、スタートアップのエコシステムで目の当たりにしていたケースは、特にボストンに多い特許やテクノロジーを持ったエンジニアや技術者を見ていると、便利なツールや技術を手にしているものの(自分で発明したテクノロジーなど)、それを「対価を支払って使う」人、その技術で解決できる切実な問題、いわゆるユースケースを探せず趣味で終わってしまう、また起業を断念してしまう残念なケースも沢山見かけました。

 

コーポレート、スタートアップでも、とても大事で基本的な考え方、「人間中心」でビジネスが進められていないため、せっかくのツールやテクノロジーが無駄になるどころか、不幸が起きていると気づきました。

 

MBAは、アントレプレナーシップ(起業)教育で有名なBabson大学で学びました。最初のアントレプレナーシップのクラスで、IDEOの考え方を教わりました。人の行動をじっくり観察することをいきなりさせられたは印象的でした。主観を抜いて、客観的に、その人の問題を観察するのです。(これをちゃんとやることがどれだけ難しく、またこれができることでどれだけの問題が解決できるのか。この時は気づきませんでした)

 

しかし、その時は、私自身、プロダクトデザインには関係ないしと思ってDesign thinkingのことは実生活と繋がらない状態でいました。

その後企業のコンサルティングをしたりしている際に、「人間中心」がやはり様々なところで弊害を起こしていることに気づき、そしてコロナで人の行動や環境がこんな風に変わることを目の当たりにして、MBA で学んだDeign thinkingという考え方を思い出しました。

そして、MITで改めてDesign thinkingのコースを履修。フレームワークと、その有用性と限界なども学べたところは実戦にあたり貴重でした。

 

「人間中心」の考え方を実践するには、必ずしもDesign thinkingというフレームワークを使う必要はないとは思っています。しかし、冒頭に書いたように、「人間中心」をどのように実践するか、が肝であり、Design thinkingを適用するに向いているケースには適応していくと有効ですが、そうでない場合はいかに「人間中心」の問題解決をするか。 これを考えて実践していくことに尽きると思っています。